【36】――引用では典拠を示す
大学通信教育のレポートを作成していて、テキストや参考文献に書かれている文章を引用することはよくあることです。


しかし、かつて私が大学通信教育の非常勤講師をしていたとき、テキストや参考文献から引用する際のルールがしっかりと守られていないレポートが少なからず目につきました。


まず、論外だったのは――

自分の文章とテキスト(参考文献)の文章との見分けがつかないレポートです。


つまり、どこまでが本人の文章で、どこからが引用なのか、さっぱりわからないレポートです。


「あれ? この文章どこかで見たことあるぞ……」


そう思って心当たりの本を見てみたら、図星だったケースが何度かありました。


書店に並ぶ本でこれをやったら、まちがいなく著作権法違反です。


訴えられます!(大汗)


「たかがレポートで、そんな……」と思うかもしれませんが、重大なルール違反なので、絶対にやめましょう!!


しかし、引用文がテキスト(参考文献)の文章ときちんと区別されていても、引用する際のルールがきちんと守られていないレポートがまだけっこうありました。


それは――


引用の典拠が不明確なレポートです。


つまり、“何という書の何ページからの引用か?”ということがきちんと書かれていないのです。


引用するときのルールとしては、引用文をカギカッコでくくるなり、引用文そのものを段落下げして、誰が見ても“本文”とは違うということがわかるように区別しておいて、その最後に書名、著者(訳者)名、版元、出版年月、ページ数を添えます。


たとえば、


「~~~」(『○×○×』△△△著、□□社、2009/6、p.xx)


という感じです。


もしも字数などの関係で典拠が添えられないのであれば、「(1)」などの註番号をつけ、レポート末尾の参考文献リストで示します。


なぜ引用文献と引用箇所を示さなければならないのかというと――


読み手(採点者)の必要に応じて、実際の引用箇所を参照できるようにするためです。


これは、引用文が本物かどうかという疑いを確かめるためではありません。


少なくとも私の場合は、その引用文が、典拠となった書(論文)の文脈から切り離されて使われていないかどうかを確認するためでした。


もちろん、引用文のすべてについて確かめていたわけではありません。


「ん?」と引っかかったものについてだけ、何度か確かめた程度でした。


他の採点者(教員)が、この点についてどうしているのかは私にはわかりません。


そんな面倒なことはやらない採点者(教員)のほうが多いでしょう。


しかし、たとえそうだとしても、読み手が実際に引用文に当たりたいと思ったときに、その引用文に行き着けるに足りるだけの情報を添えなければいけないということだけははっきりと言えるでしょう。


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